MS温シップ「タイホウ」
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適用上の注意は?
(1)使用部位:
次の部位には使用しないこと
1)損傷皮膚及び粘膜
2)湿疹又は発疹
3)眼又は眼の周囲
(2)使用時:
1)汗をかいたり、皮膚がぬれている場合は患部を清潔にふいてから使用すること
2)入浴の30 分以上前にはがすこと
3)入浴後直ちに使用しないよう注意すること
4)本剤に触れた手で、眼、鼻腔、口唇等の粘膜に触れないよう注意すること
取り扱い上の注意は?
(1)使用残りの薬剤は袋にもどし、口を折って厳重密閉のうえ直射日光や高温の場所を避けて保存すること
(2)小児の手の届かない所に保存するよう注意すること
(3) 安定性試験
最終包装製品を用いた加速試験(40℃、相対湿度75%、6ヵ月)の結果、MS温 シップ「タイホウ」は通常の市場流通下において2年間安定であることが推測された。
薬効・薬理は?
1.抗炎症作用
起炎物質による浮腫形成と毛細血管透過性亢進を抑え、炎症を鎮めます。
1)カラゲニン誘発足浮腫抑制試験(ラット)1)
MS温シップは、カラゲニンにより誘発される浮腫に対する抑制効果が認められています。
図1 カラゲニン誘発足浮腫に対する抑制効果

【方法及び結果】
Wistar系雄性ラットの足蹠MS温シップを貼付し、カラゲニンの足蹠皮下注射により惹起される浮腫に及ぼす影響を足蹠容積から算出した浮腫率より検討した結果、カラゲニン注射後2時間、3時間及び4時間における浮腫率注1)は、MS温シップ貼付群の方が無処置対照群に比べて優位に低く(p<0.01)、浮腫抑制率注2)も大きかった。
なお、MS温シップはカラゲニン皮下注射4時間前に3cm×4cm(1.71g)を足蹠に貼付し、注射直前に除去した。
注1)浮腫率(%)=(浮腫惹起後足容積/浮腫惹起前足容積−1)×100
注2)浮腫抑制率(%)=(1−MS温シップ貼付群浮腫率/無処置対照群浮腫率)×100
2)血管透過性亢進抑制作用(ラット)2)
MS温シップは、ヒスタミンの毛細血管透過性の亢進に対する抑制効果が認められています。
図2 ヒスタミンによる血管透過性亢進に対する抑制効果

【方法及び結果】
Wistar系雄性ラットの背部除毛皮膚にMS温シップを貼付し、ヒスタミン皮内注射により誘発される血管透過性亢進に及ぼす影響について、エバンスブルーにより青染された皮膚面積から検討した結果、MS温シップ貼付群の青染皮膚面積(mm2)平均値は無処置対照群に比べて有意に少なく(p<0.05)、血管透過性の亢進に対するMS温シップの抑制効果が認められた。
なお、MS温シップは、ヒスタミン皮内注射4時間前に1箇所あたり5cm×4cm(2.86g)を背部除毛皮膚貼付し、注射直前に除去した。
3)その他の抗炎症作用試験2,3)
熱炎症抑制作用(ラット)、アジュバンド関節炎抑制作用(ラット)、紫外線紅斑抑制作用(モルモット)を検討したin vivoの薬理実験においても、MS温シップの抗炎症作用が認められています。
2.鎮痛作用2,3)
MS温シップは、D' Amour-Smith法(マウス)、Randall-Selitto法(ラット)により鎮痛作用を検討したin vivoの薬理試験において、鎮痛作用を示すことが認められています。
3.皮膚刺激性試験4)
MS温シップによる24時間パッチテスト(健常成人男性20名)の結果、正常皮膚に対する刺激性は認められませんでした。
■主要文献
1)浜輝雄他:大鵬薬品研究報告書 No.114(1996)
2)岩倉泰一郎他:基礎と臨床、12(3):534、1978.
3)岩倉泰一郎他:薬理と治療、9(8):3157、1981.
4)天本敏昭:大鵬薬品研究報告書 No.113(1996)
開発の経緯は?
サリチル酸メチル含有パップ剤は、カオリンをベースにした泥状タイプから出発し、製剤上の安定性や、安全性の諸問題に取り組みながら、現在の成形パップ剤に形を変え打撲、捻挫等の鎮痛・消炎に広く臨床使用されてきた。
従来、急性疾患である打撲、捻挫等には、サリチル酸メチル、l -メントールを主剤としたパップ剤が好んで使用されてきている。従来のパップ剤は、基剤に含まれる水分の蒸発とl -メントールの貼付部位の冷感刺激により、貼付部位やその周辺の温度を低下させ、主剤のサリチル酸メチルの鎮痛作用と相まって、発熱を伴う急性炎症に薬効を示す。これに対し、慢性疾患では、患部を冷却することは好ましくなく、むしろ患部の循環機能を改善する薬剤、すなわち温湿布が適応される。これらの観点から、慢性炎症に対して有効なホットタイプの湿布剤、いわゆる温湿布の開発に研究を重ね、サリチル酸メチル、dl -カンフル及びトウガラシエキスを配合した温湿布剤を開発した。