プロテカジン

特長

  1. 夜間のみならず日中も酸分泌を抑制し、持続的な酸分泌抑制作用を示します(pH3以上のホールディングタイム)。
    24時間胃内pHモニタリングにおいて、pH3以上のホールディングタイムの割合は日中も60%以上でした。
  2. 酸分泌抑制用量で、胃粘液増加作用を示します。
  3. カプサイシン感受性知覚神経を介して胃粘液増加作用を示します(ラット)。
  4. 尿中排泄率は、投与量の約20%(未変化体として10.9%)です。
  5. 逆流性食道炎*1、*2に対して、自他覚症状及び内視鏡所見を改善し、消化性潰瘍*1、胃炎*3、麻酔前投薬にも有効です。
    *1:胃潰瘍、十二指腸潰瘍、吻合部潰瘍、逆流性食道炎に1日2回投与。
    *2:重症(ロサンゼルス分類Grade C又はD)の逆流性食道炎に対する有効性及び安全性は確立していない。
    *3:急性胃炎、慢性胃炎の急性増悪期に1日1回投与(びらん、出血、発赤、浮腫の改善)。
  6. 小さくて服用しやすい錠剤と水なしでも服用できるOD錠があります。
  7. プロテカジン錠の承認時における評価例数1,287例中、32例(2.5%)に臨床検査値異常を含む副作用が認められ、主な副作用は便秘3例(0.2%)でした。そのうち、主な臨床検査値異常はALT(GPT)上昇9例(0.7%)、AST(GOT)上昇7例(0.5%)、γ-GTP上昇5例(0.4%)でした。
    市販後調査(使用成績調査、特別調査及び市販後臨床試験)における評価例数9,542例中、158例(1.7%)に臨床検査値異常を含む副作用が認められ、主な副作用は便秘8例(0.1%)、下痢8例(0.1%)でした。そのうち、主な臨床検査値異常はALT(GPT)上昇26例(0.3%)、AST(GOT)上昇26例(0.3%)、γ-GTP上昇20例(0.2%)でした。(プロテカジン錠での再審査終了時)
    逆流性食道炎等の臨床試験における評価例数539例中、11.7%(63例)に臨床検査値異常を含む副作用が認められ、主な副作用は便秘7例(1.3%)、下痢6例(1.1%)でした。そのうち、主な臨床検査値異常は尿タンパク異常7例(1.3%)、血清尿酸値上昇6例(1.1%)でした。(プロテカジン錠での逆流性食道炎の効能追加時)
    重大な副作用として、ショック、アナフィラキシー様症状、肝機能障害、黄疸、無顆粒球症、血小板減少があらわれることがあります(発現頻度は不明)。
    また、類薬(他のH2受容体拮抗剤)での重大な副作用として、汎血球減少症、再生不良性貧血、間質性腎炎、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、中毒性表皮壊死症(Lyell症候群)、横紋筋融解症、房室ブロック等の心ブロック、不全収縮が報告されています。

*詳細は添付文書をご確認ください。

作用機序

胃には、胃粘液バリアー、胃酸の中和、胃粘膜血流、被蓋上皮細胞の再構築などの胃粘膜の恒常性維持機構が備わっている。最近の研究では、これらの因子のコントロールにはカプサイシン感受性知覚神経とその終末から放出されるCGRP(カルシトニン遺伝子関連ペプチド)が関与していることが明らかになってきた1)

ラフチジンは、カプサイシン感受性知覚神経を介して胃粘液増加作用(ラット、in vitro)2)、3)を発現する。また同時に、ラフチジンはH2受容体拮抗作用を介して胃酸分泌を抑制(ヒト、ラット、モルモット、イヌ)4)~7)する。

カプサイシン感受性知覚神経は、カプサイシンやH+などの刺激により活性化すると、終末からCGRP(Calcitonin gene-related peptide:カルシトニン遺伝子関連ペプチド)などの神経伝達物質を遊離する。CGRPは、被蓋上皮細胞に作用し、NO(一酸化窒素)産生を介して胃粘液の生合成および分泌を亢進し、胃粘膜の保護・修復をもたらす。

ラフチジンはカプサイシン感受性知覚神経から遊離されるCGRP8)、9)を介して胃粘液増加作用2)、3)を示す。

参考

ヒトのCGRPに対する抗体を使用して免疫組織学的検討を行った結果、ヒト胃粘膜中のCGRPが染色され、カプサイシン感受性知覚神経が存在することが明らかになりました。

57歳男性 胃体下部小弯、潰瘍のstageH1
CGRP陽性線維を矢印で示す。

出典:Tani, N. et al. : Digestion, 60, 338(1999)
ヒト胃潰瘍辺縁粘膜生検標本におけるCGRP免疫染色(×100)

主要文献

1) 竹内 孝治 他 : 治療, 81(8)2179(1999)
2) 鹿児島正豊 他 : 日薬理誌, 104, 379(1994)
3) Ichikawa, T. et al. : Eur J Pharmacol, 251, 107(1994)
4) 谷 礼夫 他 : 臨床医薬, 11(8)1667(1995)
5) 山浦 哲明 他 : 日薬理誌, 99, 401(1992)
6) 稲葉 二朗 他 : 日薬理誌, 105, 231(1995)
7) Shibata, M. et al. : Eur J Pharmacol, 235, 245(1993)
8) Onodera, S. et al. : Jpn J Pharmacol, 68, 161(1995)
9) 三枝 陽一 他:ラット 5-FU 起因性消化管粘膜傷害に対するラフチジンの傷害抑制効果とカプサイシン感受性知覚神経の関与, 社内資料, 研究報告書No.276(2009)