ユーエフティ

特長

I.テガフール・ウラシル通常療法の特徴

1.テガフール・ウラシル通常療法

ユーエフティはbiochemical modulationにより癌selective toxicityを高めた抗癌剤です。

1) ユーエフティはbiochemical modulationの理論により初めて製剤化された抗癌剤です。

2) ユーエフティはウラシルのbiochemical modulationにより、正常組織に比べて腫瘍内5-FU濃度を特異的に高め、選択的抗腫瘍効果を示します。

3) ユーエフティE配合顆粒は、テガフールを腸溶化した顆粒剤です。

2.ユ-エフティの臨床第II相試験の成績

ユ-エフティ経口投与における効果判定可能例数699例に対する臨床成績は、頭頸部癌31.0%(22/71例)、胃癌25.4%(58/228例)、結腸・直腸癌18.3%(15/82例)、肝臓癌16.7%(6/36例)、胆のう・胆管癌18.8%(3/16例)、膵臓癌17.4%(4/23例)、肺癌8.7%(4/46例)、乳癌30.2%(29/96例)、膀胱癌30.6%(11/36例)、前立腺癌14.7%(5/34例)、子宮頸癌19.4%(6/31例)でした。

II.ホリナート・テガフール・ウラシル療法の特徴

1) ユ-エフティとユーゼル錠(UZEL)(一般名:ホリナートカルシウム錠)を併用することにより、TS阻害活性を増強し、ユ-エフティの抗腫瘍効果を増強します。(マウス)

2) ユ-エフティとユ-ゼル錠の併用療法による結腸・直腸癌を対象とした日米のブリッジング試験の奏効率は、日本36.4%(14/44例)、米国34.1%(15/44例)でした。

3) 欧米で実施された2つの臨床第III相試験(011試験、012試験)において、ユ-エフティとユーゼル錠の併用療法は生存期間において対照薬との同等性が認められました。(海外デ-タ)

4) ユ-エフティとユ-ゼル錠は共に経口剤であることから、利便性が高く、外来及び在宅治療も可能です。

III.副作用

1.テガフ-ル・ウラシル通常療法

承認時、再審査終了時及びその後の市販後調査(カプセル、細粒、E顆粒)における副作用評価可能症例は29586例であり、副作用発現率は14.8%(4388例)でした。主な副作用は食欲不振3.8%、悪心2.4%、嘔吐1.1%、下痢1.5%等の消化器症状、白血球減少3.1%、血小板減少1.1%、貧血0.8%等の血液障害、肝障害1.8%、色素沈着0.7%等でした。

*:ユーエフティ細粒は現在販売していない。

2.ホリナート・テガフール・ウラシル療法

UFT/UZEL療法の承認時の進行再発結腸・直腸癌に対する国内臨床試験における副作用発現率は95.5%(42/44例)であり、主な副作用症状は、下痢38.6%(17/44例)、口内炎34.1%(15/44例)、食欲不振31.8%(14/44例)、倦怠感29.5%(13/44例)、悪心29.5%(13/44例)、色素沈着18.2%(8/44例)、主な臨床検査値異常は赤血球減少50.0%(22/44例)、総ビリルビン上昇47.7%(21/44例)、ヘマトクリット値減少40.9%(18/44例)、ALT(GPT)上昇36.4%(16/44例)、AST(GOT)上昇29.5%(13/44例)、好中球減少27.3%(12/44例)、白血球減少25.0%(11/44例)、血小板減少4.5%(2/44例)でした。

また、重大な副作用として、骨髄抑制、溶血性貧血等の血液障害、劇症肝炎等の重篤な肝障害、肝硬変、脱水症状、重篤な腸炎、白質脳症等を含む精神神経障害、狭心症、心筋梗塞、不整脈、急性腎不全、ネフローゼ症候群、嗅覚脱失、間質性肺炎、急性膵炎、重篤な口内炎、消化管潰瘍、消化管出血、中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)があらわれることがあります。(頻度不明)

*詳細は添付文書をご確認ください。

作用機序

テガフール・ウラシル通常療法の配合根拠1~8)

ユーエフティ(UFT)の抗腫瘍効果はテガフール(FT)から徐々に変換されるフルオロウラシル(5-FU)に基づいており、5-FUの作用機序は活性代謝物である5-fluoro-2'-deoxyuridine 5'-monophosphate(FdUMP)が2'-deoxyuridine 5'-monophosphate(dUMP)と拮抗し、thymidylate synthase(TS)を抑制することによるDNAの合成阻害と、5-fluorouridine 5'-triphosphate(FUTP)がRNAに取込まれることによるRNAの機能障害に起因するものと考えられている(in vitro)。

UFTに含有されるuracilによるFTの抗腫瘍効果の増強は、リン酸化及び分解酵素に対する5-FUとuracilの酵素親和性の差により5-FUの分解系が抑制されることに起因し、特に腫瘍内において5-FUとそのリン酸化活性代謝物が高濃度に維持されることによるものと考えられている(in vitro)。

作用機序

A:RNA機能障害

5-FUがリン酸化されてFUTPとなりRNAに取り込まれることによってRNAの機能障害が引き起こされる。

B:DNA合成阻害

5-FUがリン酸化されてFdUMPとなり、DNA合成の生合成過程でチミジル酸(dTMP)を生成する酵素であるthymidylate synthase(チミジル酸合成酵素)に5,10-CH2THFと共に強く結合しternary complexを形成する。その結果、dTMPが生成されなくなりDNA合成が阻害される。

Biochemical Modulation:Biochemical Modulationとは他の薬剤(modulator)を加えることによって、抗癌剤(effector)の薬理動態を変化させて、抗腫瘍効果を高めたり、 正常細胞に対する毒性を軽減することである。Uracilがmodulatorとして5-FUの分解を阻害する。

主要文献

1) Heidelberger C. et al.:Cancer Res., 20, 903-909(1960)
2) Hartmann K-U. et al.:J. Biol. Chem., 236(11), 3006-3013(1961)
3) Wilkinson D.S. et al.:J. Biol. Chem., 248(1), 63-68(1973)
4) Wilkinson D.S. et al.:Cancer Res., 35, 3014-3020(1975)
5) 中村秀次 他:癌と化学療法, 11(5), 1049-1054(1984)
6) Ikenaka K. et al.:Gann, 70(3), 353-359(1979)
7) Unemi N. et al.:Chemotherapy, 29(2), 176-184(1981)
8) 太田和雄:医学のあゆみ,141(9)572-575(1987)

作用機序